日本経済新聞社を内部告発し、鶴田卓彦社長(当時)の
解任動議を起こし話題となった、大塚将司氏の新刊。
あとがきを引用すると
日本の新聞業界は“言論の自由”という錦の御旗のもとに戦時下の言論統制時代の経営形態、つまり“1940年体制”を温存している唯一の業界であり、それがコーポレート・ガバナンスと無縁の存在にしている最大の原因なのだ。
と氏が書いているとおり、日本の新聞業界がコーポレートガバナンスという観点でいかに遅れているか、特に、日本一の経済紙として、企業に対して声高に「グローバルスタンダード」「コーポレートガバナンス」を提唱している日本経済新聞が、いかに組織として金属疲労を起こしているか、鋭い論評を展開し、バッサバッサ「切り」まくっています。
「日経新聞の黒い霧」「スクープ 記者と企業の攻防戦」に続き、大塚氏の著書を読むのはこれで三冊目ですが、マスメディアというものを学ぶ上で、紋切り型ではなく現場の記者・役員・トップ・・・各個人がどのような論理・政治のなかで動いているか深く知ることができるという点で非常にお勧め、PR業界関係者は"must read"でしょう。
「新聞の時代錯誤―朽ちる第四権力」
P.S.
組織形態はともかく、欧米のマスコミと比較して感じるのは
日本のマスコミはネットへの対応が非常に遅れているなぁと。
(いわんや日本のPR業界をや、ですが。。。)
「放送と通信の融合」ではないですが、今のテクノロジーを
使ってもっとできることはあると思う。
或いは、新聞やテレビみたいなところで
ネットPRをやってみるのも面白そうだなと思ってみたり。