2005年03月29日

ブログ広告市場は伸び盛り?

3月25日のThe Wall Street Journalでは
ブログ広告市場について特集記事を掲載。

非常にわかりやすいので、サマリー紹介しときます。
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まず、市場の概況として、
ブログ広告の需要が伸びている一方で
多くの広告主は、特性上、自分たちでコントロールできない
ブログというメディアに苛立ちを感じている、という。


ブログの広告メディアとしての魅力として
 ・影響力のあるearly adopter層にリーチができる
 ・先進的な企業イメージを与えることができる
 ・広告費が安い

という利点がある一方で、

大半のブログは一個人によって執筆されているため
 ・編集が拙かったり、
 ・読者からの誹謗中傷なども多く書き込まれる、
など、広告主側からすれば不確定要素が非常に多く
むしろ、広告を掲載することによって、自社製品や
広告キャンペーンをブログ上で批判され、逆に
企業イメージに傷がつくことを恐れている。

結果、ブログ広告市場は未だアーリーステージ段階にあるという。

現在ブログは約8万ぐらいあると言われているが、広告を掲載している
ブログは殆どない。大半が趣味で運営されているか、せいぜいGoogleなど
からのテキスト広告である。テキスト広告はブログの訪問者が広告をクリック
したときだけ収益が上がる仕組みで、とてもブログ運営コストを賄うだけの
収益にはならない。

一方で、広告主にとっては、広告を出すことに見合う「健全な」
ブログを見つけることが不可欠だ。そのような状況の中で、
ブログと広告主双方のニーズを満たすためのマッチングサービスを
始めたのがBlogads.comである。

Blogads.comでは、6ヶ月間以上存在し、かつ(何らかの分野で)
影響力を持っているブログをデータベースに登録している。
広告主はBlogads.comを通してブログを選定し、広告を購入する、
という仕組みだ。

Blogads.comに現在登録されているブログは750サイト。
広告は週単位もしくは月単位で出稿することができ、価格は
10ドル〜3,000ドルまでの範囲で決められている。

Blogads.comに登録されているブログの中でも、とりわけ
広告主にとって“安全な場所”と考えられているのは
Gawker MediaやWeblogs Inc.,などの「ブログ出版社」によって
発行されているブログネットワークだ。

Gawker Media は2002年に設立され、Gawker (ゴシップ&カルチャー)、
Gizmodo (デジタル機器)、Jalopnik (自動車)など現在11のブログを
発行している。.

Weblogs Inc.,は現在76のブログを発行し、直近の4ヶ月間で
92万5千ドルの広告収益を出した。


実際、SonyやAudiなど、広告主の側で、ブログを広告メディアとして利用し、
成功を収めている企業も既に幾つかある。

Sonyは、LifehackerというGawker Media発行のテクノロジー技術に
関するブログの冠スポンサーだ。

同じくGawker Media発行のJalopnikは、Audiを冠スポンサーとして
昨年立ち上げられたブログだ。


ただし、現状においてブログを広告メディアとして利用しているのは
厚顔な(thick-skinned)企業だけに限られている。
広告主側からしてみれば、読者からのコメントは予測不可能であり
否定的なコメントが書き込まれる可能性があるからだ。

しかしWeblogs Inc.,のファウンダーJason Calacanis氏によれば
「カスタマーフレンドリーな企業は臆病になる必要はない。
しかし、顧客から隠れ、顧客からのフィードバックを好まず、
顧客をぞんざいに扱っている企業にとっては、ブログは最悪の場所だ」


事実、多くの大企業はブログ広告について静観を決め込んでいる。
WPPグループのデジタル広告エージェンシー mOne WorldwideのStuart Bogaty氏は
「広告代理店側で、ブロガー達が何を言っているかしっかり監視・コントロール
できるようになるまで、大企業は慎重な姿勢を崩さないだろう」とコメントしている。
しかし、
「もしそれができるようになったら、ブログの価値自体が下がることになる」

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ソース:Many Advertisers Find Blogging Frontier Is Still Too Wild
(The Wall Street Journal)
posted by Yahnny at 11:41| Comment(0) | TrackBack(0) | マーケティング・PR | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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