ソーシャルネットワークについての記事があったので紹介します。
この記事は、P&GがソーシャルネットワーキングサイトMySpace.comにて
人気歌手Hilary Duffのプロフィールを使ってデオドラント製品
「Secret Sparkle」の実験的プロモーションを始めた、というもの。
MySpace.comのサイトでは、Secret Sparkleのロゴがついた
Hilary Duffのプロフィールを掲載し、それを発見したユーザーは、
抽選でiPodが当選する懸賞に応募することができる。
このプロモーションは、高価でトラディショナルな広告の象徴である
スーパーボウルのCMとは対極を成すものである。しかしP&Gは、
メディアの選択肢及び消費者側によるコントロールが増しているなか、
マスマーケティングは効果を失いつつあり、新しい方法を模索したい
ということでこのプロモーションを行うことを決めたという。
これまでも、有名人が自分の作品及び自己の宣伝のために
MySpaceのサイトを利用してきたけれども、有名人とコンシューマー
プロダクトを組み合わせた広告はP&Gが初めての例だと言う。
ソーシャルネットワーキングサイトは、とりわけ音楽ファンと相性が良く、
企業がターゲットとするユーザーへの到達手段となりつつある。
実際、広告主はプロモーションツールとしての利用方法について
不明確でありながらもソーシャルネットワーキングサイトに高い関心を示しており、
MySpaceにバナー広告を掲載している企業は、 Consumer Research Corporation、
DesignerBag4Free.com、Radio Shack、Verizon Wireless、WinSweepstakes.netと
多岐に渡っている。
昨年の6月から、MySpace.comの音楽セクションでは、アーティストもしくは
レコードレーベルがプロフィールを作成し、サイト上から楽曲・ビデオクリップなどを
ダウンロードさせることが可能になった。例えばR.E.M.は昨年11月にMySpace の音楽
セクションにて2週間限定でニューアルバムの無料視聴を行い、アルバムの宣伝を
行った。
また、昨夏より、MySpace.comでは新作映画のプロモーションもスタート。
例えば映画「Anchorman」の宣伝で、Will Ferrell扮する主人公"Ron Burgundy"の
プロフィールを掲載。また「The Bourne Supremacy」の宣伝ではMatt Damon扮する
"Jason Bourne"のプロフィールを掲載した。
一方、競合であるFriendsterも、Cingular、the College Loan Corporation、
the Kissimmee-St. Cloud Convention and Visitors Bureau、T-Mobileなど
様々な企業に対してバナー及びボックス型広告を販売している。
最近では、量販店のTargetがholiday campaignの一環としてFriendsterを利用した。
このキャンペーンはTargetのWebサイトにてユーザーがリクエストした
Heidi Klumやダースベイダーといったキャラクターから、無料の目覚ましコール
が受けられる、というもので、TargetはこれらのキャラクターをFriendsterの
サイトに掲載した。
しかし、他のオンライン上の物事同様、混乱を招く可能性がある。
なぜなら、正確なプロフィールを登録する数百万人ユーザー以外にも
無数の虚偽のプロフィールを掲載するユーザーがいるからである。
例えば、MySpace.comで"Hilary Duff"と検索すると、彼女の名前で
99人のプロフィールが現われる。その中にはWashington州のYakimaに
住む22歳の男性も含まれている。
また、(本物の)Hilary Duffのプロフィールも、彼女が所属する
Hollywood Recordsの宣伝担当者によって操作されており、
明らかに無名のサークルを徘徊する私(この記事を執筆している記者)
ですら、数時間でMySpaceサイト上でHirary Duffと友達関係を
築くことができた。
ソース:Pitch to Online Crowd Mixes Pop Stars and Personals
(The New York Times)